ありふれた症状でも、その原因疾患は多岐に渡ります。
☆の数は、頻度が高いほど多くなります(上限5つ☆)
本日は、腰痛の原因疾患を紹介します。
比較的多い原因疾患:
非特異的腰痛;☆☆☆☆☆
動くと痛みが強くなり、安静で軽快。神経学的所見(下肢のしびれなど)がない。
腰椎ヘルニア;☆☆☆☆
坐骨神経痛(腰から足までのしびれを伴う痛み)、咳や排便時に腰痛が増悪する。
圧迫骨折(骨粗鬆症・外傷後);☆☆☆
骨粗鬆症リスク(閉経後、ステロイドや抗痙攣薬の服用、骨折の既往、家族歴)
脊柱管狭窄症;☆☆☆
60歳以上、間欠性跛行、歩行・起立時に増悪、座位または前屈で改善、両側非対称性の坐骨神経痛・しびれ
頻度は低いけど見逃せない原因疾患:
血管系疾患(大動脈解離・脊髄梗塞・腎梗塞);☆☆
突然発症の激痛、下肢痛・しびれ、対麻痺
脊髄圧迫・馬尾症候群;☆
両下肢対称性運動性麻痺、膀胱直腸障害
悪性腫瘍の椎体骨転移;☆☆
50歳以上、体重減少、癌の既往(肺がん、乳がん、前立腺がん、消化器癌、甲状腺がん、腎がん)
多発性骨髄腫;☆☆
骨痛、意識障害、便秘(高Ca血症による)
化膿性骨髄炎・硬膜外膿瘍;☆☆
熱、先行する尿路感染症、結核の既往、糖尿病・免疫抑制剤の使用
脊椎関節炎;☆
炎症性腰痛~発症40歳以下、3か月以上持続、運動で改善、緩徐発症、朝のこわばり
リウマチ性多発筋痛症;☆☆
50歳以上、急性発症、朝のこわばり、寝返りがうてない、肩~頚部の痛み
ギラン・バレー症候群;☆
発症時に腰痛、急性進行性歩行障害、顔面麻痺、咽喉頭麻痺、重症例では呼吸困難、手足のしびれ、
眼球運動障害、自律神経障害などで発症から4週以内に症状改善
Elsberg症候群;☆
頭痛、尿閉、髄膜刺激症状あり
腰痛も、原因疾患がたくさんあります。
中には危険な鍼灸が適応ではないものもあります。
こうしたサインをレッドフラッグサインと言います。
例えば、
安静にしてても痛い(安静時痛)
夜痛くて眠れない(夜間痛)
激痛・進行性の痛み
熱がある
体重減少
50歳以上で始まった腰痛
などがあります。
こうしたことに当てはまる場合、病院受診をお勧めします。