お世話になっております。
はりきゅうマッサージReLifeの岩元です。
本日は難聴・耳鳴り・めまいといった症状を突然起こす「突発性難聴」についてのお話です。
2001年に全国調査が行われ、日本での年間発症数は3万5千人と推定され、意外と多い疾患です。
またその原因も不明なことが多く、治療をしても難聴や耳鳴りが残ってしまうこともあります。
突発性難聴の突発とは、突然に発症するという意味で、
患者さんは、何月何日に起こったということが正確に分かります。
いくつかの疫学調査をまとめた写真のグラフのように、
最近の調査は、発症者数が増加傾向にあり、発症年齢のピークが高齢化する傾向にあります。
その理由ははっきりとは分かっていませんが、1つは生活習慣病の有無が関係するのでは?という報告があります。
1970年代と2001年の突発性難聴患者さんの高血圧と糖尿病の有無を調査した報告では、
高血圧;1970年代は11.4%だったのが、2001年では20.0%
糖尿病;1970年代は3.8%だったのが、13.5%
と増えているとされています。
これは生活習慣が関係するとされています。
原因は分かりませんが、生活習慣や疲労蓄積、睡眠不足などが発症に影響すると思われます。
症状として、難聴・耳鳴り・めまいが主症状となります。
難聴は、ほぼ1ヶ月で固定化し、2ヶ月で完全に固定化します。
つまりそれまでに聴力が戻らなければ、ほぼ戻ることはないとされています(戻るケースはごくまれにありますが)。
こうした難聴では、いくつかの特徴があります。
その1つがリクルートメント現象と呼ばれるものがあります。
これは、小さな音は聞こえませんが、大きな音は不快に響いてしまう現象のことを指します。
正常だと、耳の中で音量を調節してくれますが、その調節が働かないために起こるとされます。
その他にもカクテルパーティー効果というものがあります。
人が多くてざわざわした場所では、会話がなかなか聞き取れなくなります。
カクテルパーティー効果は、騒がしい場所でも会話が出来るようにするものですが、そのためには両耳が正常に作動している必要がありますが、それが出来なくなるので、会話が聞き取りにくくなります。
耳鳴りは、突発性難聴の9割が訴えます。
聴力の改善に伴い耳鳴りも改善することはありますが、耳鳴りが残ることも多いです。
そのため耳鳴りをなんとかしてほしいと相談されることもあります。
多くの症例では、やがて耳鳴りにも慣れて苦痛度が減少していくことが多いです。
めまいは、約3割の方に起こりますが、初期のみでやがて自然に回復していきます。
めまいにより嘔気などが起こることもあります。
また耳閉感(耳が塞がったような感覚)を訴える方が約半数います。
治療としては、全国調査から
ステロイド治療が85%の方に行われ、
耳の血流を良くするプロスタグランディンが33%の方に
循環・代謝改善にATPが87%の方に
使用されているとされています。
その他、高圧酸素療法や星状神経節ブロックなども行われています。
これらの治療法に鍼灸治療も加わります。
主な目的は、内耳の血流改善となります。
内耳の血流量は、心臓から全身に血液を送り出す量(心拍出量)の百万分の1の量しか届きません。
そのため、少しの影響で血流が不足しやすい環境と言えます。
そこで、鍼灸刺激により、血流量を増やすことで症状の緩和を目指します。
いまだ鍼灸が突発性難聴に有効とする科学的根拠は乏しいですが、
ステロイド治療などとの併用効果は期待できるという報告もあります。
宮崎・都城周辺で難聴・耳鳴りでお困りの方、
当院は、鍼灸とスーパーライザーという光線療法による星状神経節刺激(交感神経を抑制して血流増加)を行える数少ない治療院です。
ご相談ください。
お世話になっております。
はりきゅうマッサージReLifeの岩元です。
先日、NHKにて「東洋医学 ホントのチカラ」というタイトルの番組がありましたが、
ご覧になった方はいらっしゃいますか?
番組内では、漢方薬・鍼灸・太極拳などが紹介されており、
鍼灸では、パニック症(障害)や脳卒中などへの鍼灸治療が紹介されました。
その中で、パニック症には内関穴というツボが提示されていました。
このツボがなぜパニック症などの心の病気に有用なのか?について補足しようと思います。
内関穴の下には、正中神経という体の中でも比較的太い神経が通っています。
これまでに、寝たきりで意識がない方に正中神経への電気刺激を行うことで意識が回復したケースや、うつ病などへの治療などに使われることがありました。
その理由として、正中神経を刺激すると、その情報が脳へと伝わり、脳からノルアドレナリンやセロトニンという物質が放出されることが報告されています。
このノルアドレナリンやセロトニンは、心の状態に影響するため、正中神経刺激が行われることがあります。
この正中神経は通る場所により、太さや深さが変わります。
そのため、比較的刺激しやすく、ある程度の深さがある内関穴周辺が適しているのです。
ここを指で押さえるだけでもある程度の効果はありますが、
その際に、こうした脳からノルアドレナリンなどが放出されるイメージを持ってもらうと、効果が上がります。
一種のイメージトレーニングとも言えると思います。
リラックスしたいとき、不安なときに、イメージしながら内関穴を押さえてみてくださいね。
お世話になっております。
はりきゅうマッサージReLifeの岩元です。
本日は、タイトルにあるように膝痛に関してです。
膝痛は、日本人も一生のうちに経験することの多い痛みの1つです。
特に年齢を重ねると多くなる傾向にあり、変形性膝関節症や半月板損傷などがそれにあたります。
こうした膝の痛みがあると、動きたくない・外出したくなくなり、筋力が衰え、膝の痛みの改善に影響することが知られています。
確かに膝が痛いと歩くのが億劫になります。
そんなときは、鍼灸をしてみませんか?
変形性膝関節症の痛みなどに対して、鍼灸が有効であるとする報告は、日本でも海外でも多くあります。
痛みを抑える投薬治療や装具なども方法の1つですが、それでも治まらない痛みや副作用を気にする方には、
鍼灸は選択肢になると思います。
また運動も有効であるとされています。
体を動かしたくないという気持ちは分かりますが、運動による効果は大きいです。
色々な運動がある中で、水中ストレッチや筋トレが最適なようです。
筋トレといっても、重いものを動かす必要はなく、軽い筋トレで十分なようです。
今年発表された報告では、50歳以上の膝痛患者さんを対象にした筋トレ効果では、
低強度と高強度で痛み軽減の比較を行うと、
両者に差がないことが分かったようです。
低強度の負荷とは、自分ができる最大の重さの30%程度を15回程度×3セットを週3回行うのが目安のようです。
例えば、前ももの筋肉を鍛える運動で、30㎏が最高ならば、9㎏の重りで15回×3セットとなります。
これならば、自宅でも工夫すればできなくはないと思います。
低強度の運動と鍼灸の組み合わせで、嫌な膝の痛みを解消するのを目指しませんか?
いつでもご相談ください。