本日の一言論文は、耳に現れる心疾患のサインです。
出典は、
Visible age-related signs and risk of ischemic heart disease in the general population: a prospective cohort study. Circulation. 2014 Mar 4; 129(9): 990-998.
見た目で判断する心疾患の兆候は?
一言;耳たぶのシワは、心疾患のサインとなる。
解説;
見た目とは、前頭部の薄毛、頭頂部の薄毛、耳たぶのしわ、老人環(眼のサイン)、眼瞼黄色腫のうち、虚血性心疾患と関連があるのは?
老人環以外は、10年以内の発症リスクになるとされました。
また別の報告では、耳たぶのシワは、両耳にある場合にリスクとなることも報告されています。
この耳たぶのシワを「フランクサイン」と呼びます。
もちろん、耳たぶのシワがある方が全員、心疾患になるわけではありません。
しかし、心疾患のある方の多くに耳たぶのシワがあるので、家族で心疾患がある方や、何らかの症状(息切れ・動悸・不整脈など)がある方は、注意しておくと良いと思います。
世界中の論文から厳選したものを、出来る限り一言で(解説付き)。
本日は顔面神経麻痺に対する鍼の効果についてです。
出典は、
Compare the efficacy of acupuncture with drugs in the treatment of Bell’s palsy: A systematic review and meta-analysis of RCTs.
Medicine. 2019 May 1; 98(19):e15566.
顔面神経麻痺には、薬と鍼でどちらが優れているか?
結論は、鍼の方が優れているが、結果にバラツキが多いのがネック。
ということ。
一言;顔面神経麻痺(ベル麻痺)には、鍼が有効だけど、結果が不安定。
解説;
科学的根拠というものを示すには、ランクがあります。
一番科学的根拠から遠いのが、専門家の意見で、最も根拠があるとされるのが系統的レビューと呼ばれるものです。
今回の報告はその系統的レビューに相当します。
顔面神経麻痺にもいくつかの種類がありますが、今回の報告はその中で一番多いベル麻痺と呼ばれるもの。
それに対して、薬と鍼の効果を比較したら、有効率は鍼の方が優れているとされました。
しかし結果にバラツキが多いとされるのは、鍼灸独自の考え方や鍼の仕方などによるものです。
こうしたバラツキを抑えることが、今後の鍼灸界には必要なことになります。
顔面神経麻痺は、脳卒中などが原因で起こることもありますし、まずは病院で精査を受け、その後鍼治療を併用することが望ましいと思います。
久しぶりのブログ更新となってしまいました。
今まで、ほぼ毎日のように、はてなブログにて「都城鍼灸ジャーナル」というものを書いていましたが、
本日から時々、世界中の論文から選りすぐったものを
可能な限り一言にまとめて、こちらで情報をお伝えできればと考えています。
情報社会と言われて久しい世の中です。
何が正しくて、何が間違っているのか?
その方の価値観や環境でも変わる部分はありますが、
その線引きの1つが科学的根拠があるか?です。
しかし科学的根拠にもランクがあります。
あまり論文を専門家ではない方は読む機会は少ないので、
皆さんに役立ちそうな論文を厳選してお届けしたいと思います。
それでは、お楽しみに。