お世話になっております。
宮崎、都城のはりきゅうマッサージReLife 岩元です。
本日は、昨年報告された論文からセルフケアに関するものを抜粋して紹介します。
論文は、
タイトル;At-home exercises for 4 common musculoskeletal complaints.
文献名;J Fam Pract. 2020 Dec;69(10):484-492.
です。
この中では、
痛みがあるときは、冷やした方がいいのか?温めた方がいいのか?
足首捻挫・足底筋膜炎・膝蓋大腿関節痛症候群(ランナー膝)・首の痛みに対するセルフエクササイズ
について書いてあります。
それを要点だけをまとめて紹介します。
まず大前提として、セルフケアを行うにあたって、医学的知識のある第3者による定期的なアドバイスや観察をしてもらうことは大切です。
1.痛いときは、冷やす?温める?
冷やす・温めるという方法は、昔からありますが、医学的根拠に乏しいとされています。
ですが、一般的には痛みが起きたのがいつか?が大事になります。
急性の痛みの場合、炎症や腫れが起きていることが多いので、1日3回ほど、1回15分程度、患部を冷やす。
痛みが起きてから数日(48-72時間以内)経過し、関節を動かしてもさほど問題ない(痛みが強くならない)場合は、セルフエクササイズを追加。エクササイズの前は温める。
筋肉のこわばりなどがある場合は、冷やすよりも温めて筋肉を柔らかくする。
とされています。
つまり、患部が赤くなっていたり、腫れたりしているときは冷やす。
筋肉が硬くなっていたり、痛みがそこまでなくエクササイズが出来るなら温める。
となります。
またエクササイズや運動のあとは、炎症をさえるためのアイシングも大切です。
おすすめの冷やす方法として、アイスカップマッサージを紹介します。
紙コップに水を入れて、凍らせます。
氷ができたら、紙コップを破り、少し氷がでる状態にして、患部をやさしくなぞるように冷やしていきます。これを10-15分程度行うという方法です。
2.セルフエクササイズの方法
(1)足首捻挫
捻挫を起こした直後は、安静や冷やすことを行い、48-76時間以内にはセルフエクササイズを行うことが推奨されています。
伸縮性のあるゴムチューブを使って、足の運動をします(写真を参考にしてください)。
痛みがある程度治まり、足に体重をかけても大丈夫なようになったら、バランス訓練を追加していきます。
回復までの目安は2週間~8週間とされています。
2週おきぐらいに専門家に診てもらうのがいいと思います。
(2)足底筋膜炎
足裏、とくにかかと周辺に痛みが起こりやすいです。
5分程度、足裏をアイスカップマッサージしたり、ゴルフボールなどを足裏で刺激する方法もいいようです。
またインソールやナイトスプリントなどを使うことも有効です。ナイトスプリントはストラップのついた靴下のようなものが耐久性もあるようです。
またふくらはぎの筋肉も足底筋膜炎では影響があるので、ここをほぐすエクササイズも重要です。(写真)
回復には時間を要しますが、4週程度で専門家の意見を聞くようにするといいとされています。
(3)膝蓋大腿関節痛症候群(ランナー膝)
活動的な方の、膝の前側の痛みを起こします。坂道や階段などでも痛みが起こります。
股関節の外旋筋の筋力不足や体幹(腹筋など)の筋力も影響することが報告されています。
そのため、エクササイズは、股関節や体幹も刺激する方法がとられます。
回復には数ヶ月を要しますので、途中でくじけそうになりますが、専門家の方と協力して痛みを解消しましょう。
(4)首の痛み
特に原因のない首の痛みは、70%の人が1度は経験するとされています。
パソコンやスマホ、ベッド環境などの調整をしつつ、セルフエクササイズを行いましょう。
テニスボールを使って、肩の僧帽筋をほぐすこともおすすめです。
姿勢を正して、ストレッチを行います。
また首の痛みは、あらゆる運動でも効果的とされているようです。
こうしたセルフケアを行いつつ、痛みのコントロールに鍼灸を取り入れてみるのはいかがでしょうか?
写真がみにくいかもしれません。
そんなときは、論文を検索してみてください。
無料のPDFで閲覧可能です。
お世話になっております。
宮崎、都城のはりきゅうマッサージReLifeの岩元です。
本日は、ある文献からの情報です。
文献;Bioelectron Med. 2019 Apr 17;5:4. doi: 10.1186/s42234-019-0020-4. eCollection 2019.
タイトル;Investigational treatment of rheumatoid arthritis with a vibrotactile device applied to the external ear.
著者;Meghan E Addorisio # 1, Gavin H Imperato # 1 2, Alex F de Vos 3, Steve Forti 4, Richard S Goldstein 5, Valentin A Pavlov 1 2 6, Tom van der Poll 3, Huan Yang 1, Betty Diamond 2 6 7, Kevin J Tracey # 1 2 6, Sangeeta S Chavan # 1 2 6
耳への振動刺激による関節リウマチの炎症抑制
タイトルから分かるように、体の炎症を抑える方法として、耳への振動刺激が有効かもしれないというものです。
病気の多くには、炎症が関わります。
関節リウマチを代表とした膠原病も動脈硬化(生活習慣病)、運動器疾患、がん、などなど
炎症の種類(急性なのか?慢性なのか?など)の違いはあれど、炎症が関わります。
この炎症を抑えることは治療の1つの柱といえます。
この炎症を抑える方法として、耳の刺激がいいようです。
意外に思われるかもしれませんが、耳には迷走神経という脳神経の1つで、
副交感神経の線維を併せ持つ神経が通っています。
これが炎症抑制のカギになるようです。
近年では、片頭痛やうつ病などにこの迷走神経刺激療法が行われることがあります。
また耳つぼダイエットで知られるように、刺激場所によっては食欲を抑えることも知られています。
まだ全てが明らかになったわけではありませんが、耳への刺激が体の炎症を抑えることができれば、
色々な病気の予防ないし治療として活躍するかもしれません。
今後の進展に期待しているところです。
健康を守るためには、健康診断を受ける。鍼灸院などでメンテナンスをする。
など、自分から行動を起こす必要があります。
ついつい後回しにしてしまいますが、この行動を強く勧めます。
どう動いたらいいか分からない方、いつでもご相談ください。
お世話になっております。
宮崎・都城市にて、はりきゅうマッサージReLifeの院主岩元です。
本日は、難聴と鍼灸の施術方針について書いていきます。
難聴と言っても、疾患はいくつかありますが、耳のどこで起きているかで鍼灸のアプローチが変わります。
なので、まずは耳のことについて。
耳は、外耳・中耳・内耳に分かれます。
外耳とは、耳の入口から鼓膜まで
中耳は、鼓膜からさらに内側にある耳小骨まで
内耳は、耳小骨からさらに内側
とおおまかに分けられます。
外耳と中耳は、音を内耳に伝える働きがあるため、この部分に問題(外耳に耳垢が詰まる・中耳炎など)があると、音が伝わらず難聴となるため、「伝音難聴」と呼ばれます。
内耳は、伝わった音の高低や大きさを分析し、脳に届けるため、音の波を電気信号に変える働きがあります。この部分に問題(突発性難聴やメニエールなど)があると「感音難聴」と呼ばれます。
年齢を重ねるにつれ、耳が遠くなるのは、感音難聴に入ります。
それでは、これらの難聴に対する鍼灸の施術方針は?
外耳の場合、耳垢などがつまり難聴となるので、鍼灸の施術は必要ないことが多いです。
中耳炎などで難聴となる場合、中耳にある耳小骨(つち骨・きぬ骨・あぶみ骨)の動きが悪くなるために難聴になるので、この耳小骨の筋肉を支配する顔面神経や三叉神経第3枝(オトガイ)を刺激し、耳小骨の動きを改善するように行います。
突発性難聴などの原因が不明な内耳の疾患では、内耳の血流が悪くなっていることがあるため、蝸牛をとりまく血管条と呼ばれる血流を改善するように行います。
この血管条は、椎骨動脈の枝なので、首の刺激が有用とされます。
ツボで言うと、「風池穴」あたりになります。
また頸部交感神経刺激も有用となります。
こんな感じで、どこの部位の難聴なのか?で鍼灸の刺激する部位は変わります。
鍼灸を行うことで、聴力がどの程度改善するかは不明な点も多いですが、都城や三股などで、難聴・耳鳴りでお困りの方、1度ご相談ください。