お世話になっております。
宮崎、都城のはりきゅうマッサージReLifeの岩元です。
本日は、ある文献からの情報です。
文献;Bioelectron Med. 2019 Apr 17;5:4. doi: 10.1186/s42234-019-0020-4. eCollection 2019.
タイトル;Investigational treatment of rheumatoid arthritis with a vibrotactile device applied to the external ear.
著者;Meghan E Addorisio # 1, Gavin H Imperato # 1 2, Alex F de Vos 3, Steve Forti 4, Richard S Goldstein 5, Valentin A Pavlov 1 2 6, Tom van der Poll 3, Huan Yang 1, Betty Diamond 2 6 7, Kevin J Tracey # 1 2 6, Sangeeta S Chavan # 1 2 6
耳への振動刺激による関節リウマチの炎症抑制
タイトルから分かるように、体の炎症を抑える方法として、耳への振動刺激が有効かもしれないというものです。
病気の多くには、炎症が関わります。
関節リウマチを代表とした膠原病も動脈硬化(生活習慣病)、運動器疾患、がん、などなど
炎症の種類(急性なのか?慢性なのか?など)の違いはあれど、炎症が関わります。
この炎症を抑えることは治療の1つの柱といえます。
この炎症を抑える方法として、耳の刺激がいいようです。
意外に思われるかもしれませんが、耳には迷走神経という脳神経の1つで、
副交感神経の線維を併せ持つ神経が通っています。
これが炎症抑制のカギになるようです。
近年では、片頭痛やうつ病などにこの迷走神経刺激療法が行われることがあります。
また耳つぼダイエットで知られるように、刺激場所によっては食欲を抑えることも知られています。
まだ全てが明らかになったわけではありませんが、耳への刺激が体の炎症を抑えることができれば、
色々な病気の予防ないし治療として活躍するかもしれません。
今後の進展に期待しているところです。
健康を守るためには、健康診断を受ける。鍼灸院などでメンテナンスをする。
など、自分から行動を起こす必要があります。
ついつい後回しにしてしまいますが、この行動を強く勧めます。
どう動いたらいいか分からない方、いつでもご相談ください。
お世話になっております。
宮崎・都城市にて、はりきゅうマッサージReLifeの院主岩元です。
本日は、難聴と鍼灸の施術方針について書いていきます。
難聴と言っても、疾患はいくつかありますが、耳のどこで起きているかで鍼灸のアプローチが変わります。
なので、まずは耳のことについて。
耳は、外耳・中耳・内耳に分かれます。
外耳とは、耳の入口から鼓膜まで
中耳は、鼓膜からさらに内側にある耳小骨まで
内耳は、耳小骨からさらに内側
とおおまかに分けられます。
外耳と中耳は、音を内耳に伝える働きがあるため、この部分に問題(外耳に耳垢が詰まる・中耳炎など)があると、音が伝わらず難聴となるため、「伝音難聴」と呼ばれます。
内耳は、伝わった音の高低や大きさを分析し、脳に届けるため、音の波を電気信号に変える働きがあります。この部分に問題(突発性難聴やメニエールなど)があると「感音難聴」と呼ばれます。
年齢を重ねるにつれ、耳が遠くなるのは、感音難聴に入ります。
それでは、これらの難聴に対する鍼灸の施術方針は?
外耳の場合、耳垢などがつまり難聴となるので、鍼灸の施術は必要ないことが多いです。
中耳炎などで難聴となる場合、中耳にある耳小骨(つち骨・きぬ骨・あぶみ骨)の動きが悪くなるために難聴になるので、この耳小骨の筋肉を支配する顔面神経や三叉神経第3枝(オトガイ)を刺激し、耳小骨の動きを改善するように行います。
突発性難聴などの原因が不明な内耳の疾患では、内耳の血流が悪くなっていることがあるため、蝸牛をとりまく血管条と呼ばれる血流を改善するように行います。
この血管条は、椎骨動脈の枝なので、首の刺激が有用とされます。
ツボで言うと、「風池穴」あたりになります。
また頸部交感神経刺激も有用となります。
こんな感じで、どこの部位の難聴なのか?で鍼灸の刺激する部位は変わります。
鍼灸を行うことで、聴力がどの程度改善するかは不明な点も多いですが、都城や三股などで、難聴・耳鳴りでお困りの方、1度ご相談ください。
お世話になっております。
はりきゅうマッサージReLifeの岩元です。
本日は難聴・耳鳴り・めまいといった症状を突然起こす「突発性難聴」についてのお話です。
2001年に全国調査が行われ、日本での年間発症数は3万5千人と推定され、意外と多い疾患です。
またその原因も不明なことが多く、治療をしても難聴や耳鳴りが残ってしまうこともあります。
突発性難聴の突発とは、突然に発症するという意味で、
患者さんは、何月何日に起こったということが正確に分かります。
いくつかの疫学調査をまとめた写真のグラフのように、
最近の調査は、発症者数が増加傾向にあり、発症年齢のピークが高齢化する傾向にあります。
その理由ははっきりとは分かっていませんが、1つは生活習慣病の有無が関係するのでは?という報告があります。
1970年代と2001年の突発性難聴患者さんの高血圧と糖尿病の有無を調査した報告では、
高血圧;1970年代は11.4%だったのが、2001年では20.0%
糖尿病;1970年代は3.8%だったのが、13.5%
と増えているとされています。
これは生活習慣が関係するとされています。
原因は分かりませんが、生活習慣や疲労蓄積、睡眠不足などが発症に影響すると思われます。
症状として、難聴・耳鳴り・めまいが主症状となります。
難聴は、ほぼ1ヶ月で固定化し、2ヶ月で完全に固定化します。
つまりそれまでに聴力が戻らなければ、ほぼ戻ることはないとされています(戻るケースはごくまれにありますが)。
こうした難聴では、いくつかの特徴があります。
その1つがリクルートメント現象と呼ばれるものがあります。
これは、小さな音は聞こえませんが、大きな音は不快に響いてしまう現象のことを指します。
正常だと、耳の中で音量を調節してくれますが、その調節が働かないために起こるとされます。
その他にもカクテルパーティー効果というものがあります。
人が多くてざわざわした場所では、会話がなかなか聞き取れなくなります。
カクテルパーティー効果は、騒がしい場所でも会話が出来るようにするものですが、そのためには両耳が正常に作動している必要がありますが、それが出来なくなるので、会話が聞き取りにくくなります。
耳鳴りは、突発性難聴の9割が訴えます。
聴力の改善に伴い耳鳴りも改善することはありますが、耳鳴りが残ることも多いです。
そのため耳鳴りをなんとかしてほしいと相談されることもあります。
多くの症例では、やがて耳鳴りにも慣れて苦痛度が減少していくことが多いです。
めまいは、約3割の方に起こりますが、初期のみでやがて自然に回復していきます。
めまいにより嘔気などが起こることもあります。
また耳閉感(耳が塞がったような感覚)を訴える方が約半数います。
治療としては、全国調査から
ステロイド治療が85%の方に行われ、
耳の血流を良くするプロスタグランディンが33%の方に
循環・代謝改善にATPが87%の方に
使用されているとされています。
その他、高圧酸素療法や星状神経節ブロックなども行われています。
これらの治療法に鍼灸治療も加わります。
主な目的は、内耳の血流改善となります。
内耳の血流量は、心臓から全身に血液を送り出す量(心拍出量)の百万分の1の量しか届きません。
そのため、少しの影響で血流が不足しやすい環境と言えます。
そこで、鍼灸刺激により、血流量を増やすことで症状の緩和を目指します。
いまだ鍼灸が突発性難聴に有効とする科学的根拠は乏しいですが、
ステロイド治療などとの併用効果は期待できるという報告もあります。
宮崎・都城周辺で難聴・耳鳴りでお困りの方、
当院は、鍼灸とスーパーライザーという光線療法による星状神経節刺激(交感神経を抑制して血流増加)を行える数少ない治療院です。
ご相談ください。